福島県の広さは岩手県に次いで第3位。東京、埼玉、神奈川、千葉をあわせたより広い。人口は減少気味。米の収穫量は、北海道、新潟、秋田に次ぎ第4位で、相当な実力を持つ。会津、郡山、福島の盆地が米の主な生産地である。野菜や果物の栽培も盛んな農業県である。桃2位、りんご、梨4位、柿3位で果実の生産も盛んである。福島県の7割は森林で、林業も岩手、長野についで第4位である。会津桐などの木材のほか、茸や山菜などが生産されている。 会津の桐は緻密で評判がいい。
漁業はいわき市周辺で盛んで、鰯、秋刀魚、鯖、鰹などが多く水揚げされる。
工業は郡山周辺地域を中心に高度技術産業の進展を図る。首都圏に近く、郡山、福島の仲通やいわき市を中心に、電気機器、化学工業、食品・飲料、飼料などの工業が進展した。県民所得も8兆円近くもあり、東北地区では、宮城県に次いで高い。浜通り地区は原子力発電所が集中し、電力供給基地になっている。
福島県の天気予報は、浜通り(相馬市からいわき市まで)、仲通り(福島、郡山、白川)、会津(会津盆地から西部山岳地帯)の三地域に分けられる。気候風土が違えば、人の気質も違う。一般的によく言われている気質の違いは次の通りである。浜通りは、言葉は荒っぽいが、人懐っこく親切である。さっぱりしておおらか、やや保守的で実力主義、会津は、おだやかだが、頑固で閉鎖的、我慢強い、付き合えば、人情が厚い。人間関係が親密で、家意識、郷土意識も強い。伝統的なものが全国でも最も強く残る。県全体としては①郷土意識が強い、②親密な人間関係、③権威を尊重する、④厳しい道徳観、⑤厚い宗教心、⑤教育熱心である。「地味で目立たぬが、ねばり強く、勤勉、忍耐、がんばり屋である」というのが、一般的見方のようだ。
郡山駅は、会津とは対照的である。駅前はビジネスホテル、消費者金融、パチンコ、飲食店、ショッピングビルなどが立ち並ぶ。極めて新興都市的で歴史を感じさせない街である。そして都会的であり、便利である。郡山はかっては水がなくて苦労した歴史がある。今泉村長などの村民の努力があり、猪苗代から安積疎水を引いたのである。
筆者が特に福島で注目しているのは、別荘、老人ホームである。寝たきりになったり、病院通いになったりすると、もっと首都圏の近くがよいが、元気なら自然豊富な福島がよい。田舎の雰囲気が大いに漂うのである。「ただ一面に立ち込めた、牧場の朝の霧の海♪♪」(岩瀬牧場)のイメージである。別荘はあまり遠いと、週末ごとに帰ったり、首都圏から通ったりには不便である。田沢湖、十和田湖なども景観はよいが、遠すぎるのである。別荘地も寂れている。福島は、猪苗代、磐梯高原、五色沼などは風光明媚で、伝統ある会津地区、新幹線の停車駅で便利な郡山、海と魚がおいしいいわき地区などお好みに合わせて選択できる。いずれも近くに温泉がある。土湯温泉、飯坂温泉、磐梯熱海温泉、猪苗代温泉、東山温泉、いわき湯本温泉など枚挙に暇がない。温泉があれば冬でも暖かい。
芸術家でも、定年帰農者でも、別荘に住む人でも、誰でもよい、人を招んで来られれば、産業は育つ。人がいないところには、産業は育たない。サービス業はまさに人口に比例する。只見で格安別荘地が売りに出ていたが、これなどもなかなか粋な戦略である。
2009年10月
地域問題研究会主査 NAM記
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