(農業)
会津若松市の市街地を出ると、会津野である。青々とした田圃が続く。中通りから来た人が、あたり一面が田圃なのにびっくりしている。福島県は①会津・猪苗代盆地、②郡山・須賀川盆地、③福島盆地など大きく三つの盆地がある。会津盆地は、阿賀川、只見川などの水量をあつめ、その平坦さ、連続性において県内随一の盆地である。冬は雪で、夏は暑いという。これが稲作に良い。
「エイヤー!会津磐梯山は宝のやまよ♪、笹に小金が、エーまたなりさが~る♪…」と唄われるように、磐梯山の恵みも大きかったようである。
農家の家は広い。建坪は百坪以上あると思われる。土地があるからみな平屋である。じいちゃん、ばあちゃん、若夫婦、子供たち、3世代住宅である。朝5時というと、どの家も自宅前の畑に出ている。でも、最近は若夫婦が家を出て行ってしまい、広い家が掃除に困るという。「年長者に従わねばならぬ」となると嫁も辛い。ついでだが、昔は寿命が40歳くらいだったから、嫁姑との問題は、今ほど深刻ではなかった。20歳くらいから、子供を3年毎に5人生むとして、35歳までの子育て期間がある。子育て期間中は、姑がいた方が良かったのである。子育てが終わればもう寿命である。いまは、嫁・姑は、共に白髪の生えるまで、延々と続く。
農家の納屋にはもう牛馬はいない。日本では明治に入り、封建制度が破壊され、農業の自由化が始まった。金持ち農家は一層金持ちになっていった。町村制も新たに見直され、各地に小学校ができた。また、農業も牛馬農耕になった(明治20年頃)。1枚あたりの田の大きさも大きくなる。耕運機、トラクター、脱穀機などの本格的機械化は昭和以降である。しかし、戦後は農地法があり、中国などに比べても機械化はまだまだ遅れている。昔は、五反百姓といわれたが、今は10町歩ほどないと食べていけぬという。
(林業)
会津山地を始め、阿武隈山脈など、会津は山の中である。日本の森林面積は国土の67%で、スウェーデン、フィンランド並の森林王国である。宿で、林野庁の方か、森林組合の方に会った。山道の調査に来たという。山林の木材は、10年サイクルで、30%位を計画的に伐採する。木は最初の5年はよく成長するが、雑草を刈らないと草に負けてしまう。その後は、適度に間引きしないと、養分の取り合いで土地がやせ、木も太くならない。会津の材木は、落葉広葉樹林が主体で、樺、樅、トウヒ、松、栂、杉、檜、欅、桐などである。材料価格は年々下がってきたが、檜材は、30cm径のもので一本7-10万円程度もする。
林家、林業従事者は年々減り続けている。昭和40年頃の20-30%程度である。高齢化は進み、新規就業者はわずか200-300人程度である。林業は過酷作業である。林業用ロボットも毎年新製品がでているが、必ずしも普及していない。高いのと使いづらいのとがある。自走しないのである。ロボットは下刈り用と枝切用とがある。多用途対応の歩くロボット、いわばガンダム型ロボットが欲しい。日本の森林は荒れている。環境行政の側面にも問題がある。固定資産税、相続税の見直し、林道整備など、林業行政を改めて見直したい。
会津地方では、車がないと生活出来ない。この10月で市内の路線バスの一部が廃止になるという。確かに乗っている人が殆どいない。この時期の観光客の多くは、近隣の福島、山形、新潟からきた小中学生である。みな観光バスで来る。鶴ヶ城、武家屋敷、飯盛山など会津の悲劇と会津の精神を学ぶ。
車社会では、歳を取ったらどうするのか、いつまで運転が出来るか、近くにコンビニもスーパーもない。今から心配である。会津でも、結構ご高齢になるまで、車を運転しているという。会津市内には信号があるが、街中を抜けると信号がないので、運転も楽だ。小学生の教育ために、学校の前にだけ信号機がつけてある。
<参考文献>
日本農業全集、林業センサス
会津風土記
福島県立博物館
会津若松市史
司馬遼太郎「街道を行く」(会津・白河)など
2009年7月
地域問題研究会主査 NAM記
いろいろ地域起こしの努力はされてはいるが、地方の人口はまだまだ減り続けるであろう。宮崎のシーガイア、長崎のハウステンボスなど、もともとは地域おこしを目的としていたが、客の入りが悪く、運転資金さえ稼げず、閉鎖の憂き目にある。遠くて交通費が払えない、宿泊費も決して安くない、東京近郊から出かけるとなると、一人でも10万円近くかかる、家の近くにも見所はたくさんあるので遠出したくても我慢してしまう。それだけ地方の魅力より東京の魅力が勝っている。
浅草、銀座、東京タワー、六本木、など一度は行ってみたい東京がある。東京の魅力の源泉は一体どこにあるのか、これを探っていきたい。
まず、第一に挙げられることは、人口が多いことである。東京に来ると人の多いのにびっくりし、圧倒される。しかし、人口のあるところにビジネスが生まれる。特に商業、サービス業は、ほぼ人口に比例するといってもよい。地方に人が定着するには、鉱業、農林業、工業であるが、工業は中国などの新興工業国に奪われてしまった。
東京の第2の特徴は、大学が多いことである。若者が集まっている。若者が集まるところには活気がある。
いままで本ブログも県別に述べてきたが、今後一回置きに、東京の魅力について探っていきたい。ディスカバー東京である。東京に行けば何かある、そう思って地方の若者は上京する。さすが世界の主都、東京は、見どころ満載である。美術館、博物館の数はまずまず多い(後述)。桜の名所、花の名所、昔の大名や財閥の庭園も多い。建物は江戸・明治時代の名所旧跡などのほか、三井ビル、住友ビル、東京都庁など、新宿高層ビル群や東京駅周辺、六本木など新名所も生まれつつある。遊園地、テーマパークも多い。一方、はとバス観光は今でも大人気である。東京湾水上ツアーも納涼もかねて人気がある。東京にはさらに温泉がある。終電を乗り過ごしても東京温泉で一休みし、数時間時間をつぶせば始発電車に乗れる。またお台場の温泉なども大いに楽しめる。
さらに、イベント等も毎週のようにある。京都は毎日のようにどこかで祭りが行われているといわれるが、東京はイベントである。東京では、5月が従来型の神社中心の祭り、10月から11月にかけて区民際、神田古書祭り、大学祭、スポーツなど、商工関係や文化に関する各種イベントが、まさに目白押しである。
夏の東京は花火大会である。今年は景気後退で花火大会も少なくなっていると言われるが、観客動員数が50万人を超えるものがたくさんある。地方で10万人を超す花火大会は、角館、長岡、諏訪湖などそれほど多くはない。
参考:<東京の主な博物館の例>
国立博物館、東京科学博物館、日本科学未来館、東京都近代文学博物館、NHK放送博物館、船の科学館、交通博物館、消防博物館、鉄道博物館(大宮)、青梅鉄道公園、逓信総合博物館、武蔵野郷土館、世田谷区立郷土資料館、日本民家園、書道博物館、紙の博物館、印刷博物館、相撲博物館、千社札博物館、伝統工芸展示館、大名時計博物館、家具の博物館、凧の博物館、切手博物館、たばこと塩の博物館、新宿歴史博物館、深川江戸資料館、下町風俗資料館、江戸東京博物館、杉野学園衣装博物館、目黒寄生虫館、明治大学刑事博物館、印刷局記念館、科学技術館、産業安全技術館、古代オリエント博物館、刀剣博物館、ガス資料館、東京農工大学繊維博物館
など。
2009年7月
地域問題研究会主査 NAM記
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| << < | 現在 | > >> | ||||
| 1 | 2 | 3 | 4 | |||
| 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
| 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
| 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
| 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | |